多汗症の背後には
多汗症の症状の裏に重大な病気が隠れていることがあります。
たとえば、脳に腫瘍ができると、体温を調節する中枢がある部分がそこなわれて、全身多汗症になってしまうことがあります。
局所的な多汗症も病気によって引き起こされる場合があります。くる病では、頭部に局所的に汗をかきます。
こういう多汗は西洋科学では多汗症とは考えられず、その原因となった病気の一症状と見られるようです。一方、漢方医学では、昔から汗の出方が健康のバロメーターとして重要視されてきたので多汗症としての側面からの治療が行われてきました。
漢方療法では汗の出方に基づいた様々な診断法があり、多汗症の症状に応じて服用すべき漢方薬が選ばれます。そういった伝統があるので、漢方療法は多汗症の治療には有効なことが多いといわれます。
たとえば寝汗のひどいものは漢方医学では「盗汗」と呼んで多汗症として重要視します。
漢方医学では、動悸・不眠・ふらつき・めまいを伴う場合、乾咳やのどの乾燥、手のひら、足のうらの熱感を伴う場合、ふらつく、目がかすむ、微熱、足腰がだるいなどのそれぞれの多汗症の症状におうじて薬が処方されます。
「脂汗」は、脂肪体質や化膿体質の人がかきやすく、そのこと自体はなんら多汗症ではありません。
「冷汗」も暑くもないのに「ドキッ」としたり「ヒヤッ」としたりするときに出る冷や汗のことで、これも多汗症ではありません。
どちらも生理的なもので異常ではありませんが、「冷汗」「脂汗」だと思っていたのが、実は多汗症の症状だった、ということもあるので、多汗症に対する注意は怠ってはいけません。